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建築士事務所の皆様へ
第48回石川県デザイン展 審査結果◇石川県知事賞
国立工芸館
木造の登録有形文化財である旧陸軍の第九師団司令部庁舎と金沢偕行社を移築・活用するとともに、昭和期に撤去された両翼部分や講堂部分を耐火構造のRC造で復元し、美術館として必要な性能を確保している。移築木造と復元RC造にエキスパンション・ジョイントを設けず、その境界を感じさせない、構造一体の建築物として計画した。
◇金沢市長賞
奥卯辰山のびのび交流館 とんぼテラス
奥卯辰山健民公園の特徴である芝生広場、傾斜や起伏のある地形、伸びやかな景観に馴染むようにふわっと浮遊する雲のような屋根を架け、その下に休憩ホール等、来園者が気軽に利用できる様々な空間を内包している。
構造、内外仕上、造作家具に至る全てに県産材を使うことにより来園者に木の楽しさ、快適さ、美しさを伝え、また地場産材のPRを意図し、多くの樹木に囲まれた周辺環境に同調する豊かな建築とした。
◇一般社団法人 鉄工機電協会会長賞
緑化木センター 事務所棟
緑化木センターは緑化を通して森林と暮らしをつなぐ役割を担っています。
ー日常の中に緑化に取り組む姿勢を見せる3つの建築的取り組みー
①木材の使用が分かりやすく見える 親しみやすい建物配置 外観 内部空間にする (県産木材使用率100% 21.6㎥) 。
②外の庭木と同様に 室内にもトネリコ ソヨゴ オリーブを植えて遮光と共にインテリアに潤いを与える緑のカーテンをつくる。
③大きな広葉樹の下に佇む5年後をイメージして 屋根を抜いてクヌギを植樹し 屋上緑化のための防水フラットルーフにする。
◇一般社団法人 石川県建築士事務所協会会長賞
大屋根の家
金沢市円光寺に建つ二世帯住宅である。
ご家族と建物を末永く守ってくれるように、軒の出のたっぷりある大屋根の木組みの家にした。
環境問題を考慮して自然乾燥材の県産材の杉を柱や梁まで使い、長持ちするように渡り顎構法で木組みを現わし、内外とも真壁造りにした。ローコストにするために軸組をモデュール化してプレカット加工をした。
◇一般社団法人 石川県建築士会会長賞
重光商事株式会社 本社
タオル等の輸入販売業本社の建替え。計画地は海岸1㎞圏内の砂丘高台で、強い潮風が吹きつける過酷な環境。築20年の既存建物は、潮風で軒天井は破損、雨漏れ、建具は錆びついていた。厳しい自然環境と共生できうる建物を目指し、建物形態は流線形で強風を受け流し、外装素材はチタン亜鉛合金メッキ鋼板にて対候性を高め、かつ庇をめぐらせた。内部空間は3層吹抜で繋がるオフィス空間とし社員のコミュニティーを図りつつ、吹抜を包む彩り豊かなサンプル棚を設け、独自ECを実現した在庫の豊富さをアピールできる内装デザインを目指した。石川県初の『NearlyZEB』を取得し、75%削減を実現している。
◇一般社団法人 石川県建築設計監理協会会長賞
アール・ビー・コントロールズ 本社
省エネルギービル新築の一事例
既存本社棟と合わせて ZEB Ready を取得し、省エネ率59%を可能にしました。
設備の省エネは勿論、サッシなどの開口部性能を高め、大きな庇や日射遮蔽ルーバーなど 省エネ機能を優先、装飾的な意匠を排除し建物をすっきりとまとめています。
前面道路に境界フェンスなどはなく、花壇を設けて緑化することで近隣への配慮が感じられます。
◇一般社団法人 石川県建設業協会会長賞
馬場幼稚園
創立115年以上続く、キリスト教に基づく教育を行う幼保連携型認定こども園です。
総2階建ての園舎を周囲に圧迫感を与えないように、寄棟屋根を掛け、旧園舎のシンボルであったステンドグラスを移設し、地域のシンボルを継承します。
遊戯室は大きな空間とし、小屋裏収納部分に窓を設け、街並みを内包する広場のようなしつらえとします。 同じ場所に建つ3代目となる新園舎が、旧園舎の特徴を継承しつつ、これまで以上に園児や地域の方々に親しまれる幼稚園になることに期待します。
◇石川県建築産業連合会会長賞
新屋根の家
奥能登への玄関口として開発された分譲地に建つ専用住宅。千里浜に近く、邑知潟にも近い特色のある立地。
道を挟んで隣接する公園に対して開かれ、ゆるやかに外部とつながる配置計画とした。舟底を連想させる強固な構造体を表しにした内観と、邑知潟で羽を休める白鳥のような優しい外観で周囲に安心感を与え、周囲の家並みに配慮したオウチです。
30M HOUSE
田園が広がるのどかな敷地に2世帯住宅を計画した。建物の特徴は、伸びやかな庇とテラスの水平ライン、連続した開口である。緑豊かな庭を取り込み室内と連続した広がりのある豊かな住まい方ができるようになっている。内部構成は、玄関を入ると直線的に奥の寝室部まで視線が抜け、廊下となる部分に面してサッシを連窓させることで廊下の部分も室内の一部として取り込めるようなLDKとした。
進化し続ける和モダン住宅
野々市市の郊外に建つ2世帯住宅である。
親世帯は木を使った温かみのある和の住まいを好み、若世帯はエレガントで高級感のある空間を望んでいた。
そこで2世帯が共有するLDKや玄関、和室などの空間を木格子・組子・畳・ガラス・タイルの素材を組み合わせた。
生まれた空間は、和風の伝統意匠と優雅な現代的意匠が融合した和モダン住宅となった。
2つの意匠が1つの空間で刺激し合うことで、互いに新鮮さを感じさせる空間となり続ける。
越中井波 町屋旅館 古香里庵
富山県南砺市井波の大きな空き町家を旅館へとリノベーションしたものである。
母屋1階は間口いっぱいの風除室、受付や食堂、廊下など共用部で構成され、内装を暗色にさせることで漆黒の闇が感じられる空間に。母屋2階は全て客室で、異なる設えの4室から構成される。奥の土蔵は客室、宿泊者専用BAR、個室の温泉浴場として新鮮な体験を得られる空間へ転用した。